「ブラッド オブ バハムート」の開発スタッフ
(共同ディレクター・石山貴也)による
ゲーム解説やスタッフインタビューを
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今作のイベントディレクター
石山貴也へのインタビュー、最終回です。


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■演出のテクニックを身につけるには


――
作り手の目線と
ユーザーの目線の両方で
見ないといけないわけだよね。


石山
そうですね。
リソース配分とかを考えるときは
完全に作り手目線ですけど、
プレビューするときは
前情報を頭でリセットして、
ユーザーが初めて見るときの気持ちで
確認しないといけないですから。


――
でも、遊ぶ方はそういうことを
意識しないでいいわけで。


石山
あ、もちろん。
そのための、細かい調整なので。
「そこで背を向けるイブキの心情」とか
「ここでキー待ちが入る間に何を考えてるのか」
とかを自然と感じていただければと。


――
そういう技術……というか、
タイミングを調整するのは
後天的に身につくものなの?
そういう技術を獲得する方法とか、あります?


石山
あー。どうなんでしょう……。
でも正直なところ、
誰でも見ればわかることなんじゃ
ないかと思いますよ。
例えば、イベントシーンに限らず
映像でもなんでも、
見て「あ、この演出いいな」とか
「この表現はイマイチだな」とか、
もっとくだけた言い方をすれば、
「おもしろかった」
「おもしろくなかった」というのは
誰でも感じるわけじゃないですか。


――
うんうん。


石山
それを「なんでだ?」と
考えるかどうか、という
それだけの違いじゃないかと。
思うんですが。


――
なるほど。


石山
イベントを自分で組んでると、
このシーンのテンポがちょっと悪いから、
ここの間を0.5秒ずつカットしてみる、とか
そういうのをすぐ試せますから。


――
それの積み重ねってことかな。


石山
そうですね。
やっぱり一度で完璧にはいかないんで。
テンポ感からカメラアングルまで、
納得がいくものになるまで
何度も繰り返し調整を続けるわけです。


――
ものすごい地道な作業なんだね。


石山
地道な作業ですけど、
個人的にはそれが
楽しかったりするもんで(笑)。


――
なるほどね(笑)。


石山
まあ、結局のところ
何が言いたいのかというと。
ゲーム開発ってやっぱり
楽しいんだなあ、好きなんだなあ俺、
ってことです。


■チャレンジしたことは


――
じゃあ、今回チャレンジしたことを
聞きたいのだけど、
これまでの話からすると
「限られた条件でのイベント演出」に
なるのかな。


石山
そうですね。
果たして期間内に
どこまでできるか、と。


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――
テストプレイをしてると、
一度見たイベントでも、
「あ、曲が変わってる」とか
「あ、タイミングが違う」とか
細かく変わってて
「ああ、良くなってるな」と思いました。


石山
ありがとうございます。
どうも自分は、
「なんでもできますよ」
という状況よりは、
「限られた条件の中で
最高のパフォーマンスを発揮する」
みたいなことが好きみたいです。


――
なるほど。


石山
つまり、
ドMなんだと思います(笑)。


――
ええっ!?(笑)


石山
"縛り"があった方が燃えます!


――
いいの、それで?(笑)


石山
あと、今回はすべてのイベントを
2画面にしました。
縦に大きい巨獣の迫力を表現するには
DSの2画面はとても有効だろうと思って。
実際できるのかどうかわかりませんでしたけど
最初に「やりたい」と決めました。


――
「あ、これ自分の首を絞めるな」と
思いませんでした?


石山
あ、思いました。
「うおー、キビシー!
でも楽しー!」と(笑)。


――
ドMだからね(笑)。


石山
ドMだから。
……なんだかどんどん
変態キャラになってる気がしますが、
もうそれでいいです(笑)。
うひょー。


■チャレンジしたいことは


――
じゃあ最後に、
今後チャレンジしたいことは?


石山
あー……。
やっぱりRPGが作りたくて
スクエニに来たようなものなので、
規模は小さめでいいので
「シナリオ&ゲームデザイン」として
RPGが作りたいです。いつか。


――
なるほどね。


石山
でもそれは、多くの人が憧れる
「頂点」のひとつですよね。
言ってみれば、
野球少年が松井やイチローを
目指すようなものですよ!
あ、"野球少年"ってのは
我ながらちょっと下げすぎか?
まあ、"いちプロ野球選手"くらいで(笑)。


――
けわしい道のりだけど、
だからこそ挑戦したくなるのかな。


石山
いや、まあ、あんまり口ばっかだと
痛い人になりそうですけど(笑)。


――
(笑)


石山
今回の『ブラッド オブ バハムート』の
テーマに倣うなら、
半ば呆れられるような志であっても
それを信じて貫き通すことが大事、
ということですからね。
制作者がそれを否定しちゃイカンですよ。
ということで。
頑張っていきたいです。


――
そうだね!!
志を忘れてはいけないね。
ありがとうございました。




以上です。
次回は、行商人のおたより紹介動画です。
お楽しみに!


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