開発スタッフが開発スタッフに聞く
マニアックインタビューシリーズ。
今回紹介するスタッフは、
バグチェックなどをして
品質管理を担当した、
QAプランナーです!
なお、聞き手は
今作の共同ディレクター、石山です。
横山プロデューサーも立ち会ってますので
ときどき会話に登場します。
――
では、ブログをご覧の皆さまに
簡単に自己紹介と今回の担当を
お願いします。
林
はい。品質管理部で
QAプランナーをやっています、
林丈二と申します。
今回の担当は、
QAのスケジュールだとか
現場の調整がメインですね。
――
まずはやっぱり、
ブログをご覧の方に
「QA」って何?
というところから説明して
いきたいんですけれども。
林
まあ、そうですよね(笑)。
横山
「クオリティ・アシュアランス」の
略だよね。
――
日本語で言うなら
「品質保証」あたりかと思うのですが、
具体的にどういう仕事を
するのかというと……。
林
メインの業務は、
開発中のゲームのバグ探しと、
仕様通りに動いているか
チェックすることですね。
――
いわゆる「デバッグ」ですね。
で、そのほかには
テストプレイなども。
林
はい。開発チームから要望があれば、
開発中のゲームをプレイして
意見や感想を集めることもしますし。
――
あとは、用語や処理の方法が
そのハードで決められている
ルールに則しているかどうかの
チェックも行いますよね。
林
そうですね。T(テクニカル)QAで。
まあ、それもバグの一種として
扱っていますけど。
――
あとは、なにがありますか?
林
開発スケジュールの調整もします。
プロジェクトの担当者と相談をして、
このペースなら、いついつまでに
何を入れましょう、といった
マイルストーンの提案などです。
――
なるほど。
要約すれば、QAとは
「品質を保証するための
最終チェック機関」みたいな
感じですかね。
林
そうですね。
横山
よく言われているのが、
「ユーザーにもっとも近い部門」
ってことだよね。
手に渡る前の。
――
あ、そうか。
QAは、ゲームの開発工程では
いちばん最後に関わりますし。
横山
もっともユーザー側に近い
考え方を求められる立場だから。
ゲームをプレイして、
バグが残っているのは論外としても、
この操作方法で本当にいいのか、とか
遊んでて不満はないか、という部分を。
林
ユーザー目線で見て、
「これはこうした方が良いんじゃないか?」
という部分を徹底的に洗い出して、
ゲームをよりよくするための提案も
積極的にやっていきます。
例えば今回ならば、
左利き用の操作方法も必要だと提案し、
それが実装されました。
ゲームのテストプレイが行われるQAルーム。
――
中でも、いちばん時間をかけるのは
バグのチェックになるわけですね。
繰り返しプレイして。
林
そうですね。
ただ、バグを出す作業は
主に「テスター」と呼ばれる方々が
担っています。
――
あ、担当が分かれるんですね。
林
バグのチェックで言えば、
QAプランナーの担当は
いつから、どの部分を、
どのようにチェックしていくか、
といったプランを立てるのが
メインになります。
――
なるほど。例えば
「今回のゲームは
どういうジャンルで、
どういう要素があって……」
というところをまず、見て。
林
はい。
――
「ここは重点的にチェックする
必要があるから何人必要だ」とか。
林
そうですね。
そのように計画を立てていきます。
――
必要な期間やスタッフを
見積もっていくわけですよね。
そのあたりの加減は、経験で
わかるようになるものなんですか?
林
経験……もありますけど、
実際は結構、計算ですね。
――
ほう。
林
例えば、アイテムが100個あるなら、
組み合わせは何パターンで、
ひとつ調べるのにどれくらいかかるから
何人必要で……と。
――
なるほど。
林
それを、決められた
予算や期間で収まるよう
調整していくわけです。
――
それがまた、大変そうですね。
続きます。
明日は、QAプランナーになるまでの経緯や
仕事の醍醐味についてのお話です。