「ブラッド オブ バハムート」の開発スタッフ
(共同ディレクター・石山貴也)による
ゲーム解説やスタッフインタビューを
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今作でQAプランナーを担当した、
林丈二へのインタビューの第2回です。


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■担当するゲームはどう決まる?


――
林さんがこれまでに
担当したタイトルっていうと、
どんなものがありますか?


最近では、 ニンテンドーDS版の『クロノ・トリガー』や、
同じくニンテンドーDS版の『ドラゴンクエストIV』、
『ドラゴンクエストV』などを
担当しました。


横山
あと『ファイナルファンタジーXII レヴァナント・ウイング』も
忘れずに(笑)。


あ、そうですね(笑)。


――
ニンテンドーDSのタイトルが多いようですけど、
そういう担当が決まっているわけでは……?


いや、そういうわけではないです。


――
単に、経験が多いから回ってくる、
って感じですか?


かもしれませんねえ(笑)。


――
例えば、得意なジャンルやタイトルがあったら
担当になる、というものでもないんですか?


あー。 もしかしたら、多少は
あるかもしれないですけど……
ただ、「このタイトルやりたいです」って
希望を言ったとしても、
必ず希望が通るわけではないですね。


――
なるほど。


横山
逆に、プロデューサーの方から
QA担当者の指名をすることの方が
多いかもしれませんね。


――
ああ、過去にシリーズを担当して
勝手を知っている人を、と。


横山
そうそう。


――
じゃあ特にQAとして、
担当とか専門の分野に分かれる、
というものでもないんですね。


そういうものではないですね。
僕はなぜか、
ニンテンドーDSの『ファイナルファンタジーIII』とか、
リメイク作品が多くなっちゃってますけど(笑)。


――
自然と、そういう流れに
なっちゃってるんですかね(笑)。


■デバッガーからQAプランナーへ


――
では、QAプランナーを目指した
経緯をお伺いしたいのですが。


ええと……。 もともと、高校生くらいから
「ゲーム業界に行こう!」とは
決めていて。


――
はい。


高校を卒業してから、
引っ越し屋とか、接客業とか、
いろんなバイトをしながら、
ゲーム系の専門学校に行ってました。


――
あ、一般のアルバイトを。


ホントにいろんなことを
やってましたけど(笑)。
で、その学校の講師の方が
ゲームのデバッグを専門とする会社を
経営していて、
そこにお邪魔しに行ったのが、
そもそもの始まりです。


――
なるほど。
そこでデバッグ専門の仕事が
あることを知ったわけですか。


というより、そもそも
デバッグという存在を知ったのが
その学校に行ってからです。
高校生の頃は、
「ゲーム作るには何が要るんだ?」と。
プログラム、グラフィック、サウンド、
プランニング……あとは? と(笑)。


――
まあ、そうですよね(笑)。


で、その会社で
デバッグのアルバイトを
2年くらいやってました。


――
ゲーム業界に足を踏み入れて
現場の仕事を覚えていった
わけですね。


そうですね。
そして長く続けていくうちに、
将来的なことも考えて
次のステップを目指そうと
考えるようになりました。


――
キャリアアップを目指して。


専門学校ではプログラムの
勉強をしていたんですが、
どうも自分には合わなかったみたいで。
じゃあ、何ができるのかと。
絵も描けないし……。
そこで、デバッグからワンランク
ステップアップしようと考えて、
デバッグの「管理側」の仕事に回ろうと、
募集しているところを探したんです。


――
なるほど。


ですが、意外とこの仕事って
募集しているところが少なくて……。


――
ああ、そうですよね。
デバッガーのアルバイトは
あちこちで見かける気がしますが、
管理側の募集はあまり見ないですね。


そうなんです。
それで見付けたのが、
この会社です。


――
なるほど。


でも実はその前に一度、
書類選考で落とされてて(笑)。


――
あら(笑)。


1年間ほかの会社で働いてから、
リベンジしました。


――
なるほど。
あきらめずに。


入った頃はアシスタントでしたけど、
ちょうど『ファイナルファンタジーXII レヴァナント・ウイング』が
終わったところで、
プランナーになりました。


――
それで今に至るわけですね。


■仕事が楽しい瞬間


――
この仕事の醍醐味とかやり甲斐は、
どんなときに感じますか?


それはもちろん、
担当したタイトルが
ザーッと店頭に並んでいるところを
見ると……。


――
ああー!


横山
「やったぜ!」みたいなね。


――
そりゃあ、嬉しいですよ。


雑誌で特集されていたり、
たくさん売れているときも。
……もちろん、売っているのは
自分じゃないんですが(笑)。


――
関わったタイトルを
街で見かける嬉しさってのは、
ゲーム開発の特権でしょうね。


電車に乗ってると、
隣に座っている人が
やっていたり(笑)。


――
そりゃもう、
気になって仕方がない(笑)。


あとは開発中に、
バグが修正されたり
意見が反映されたりと、
完成していく過程を見ていられるのが
楽しいですね。


――
あー。
確かにそれは、
QAという仕事の成果を
肌で感じられる部分でしょうね。



続きます。
明日は最終回。
実際に『ブラッド オブ バハムート』のQAが
どうだったかについて伺います。


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