「ブラッド オブ バハムート」の開発スタッフ
(共同ディレクター・石山貴也)による
ゲーム解説やスタッフインタビューを
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今作のアートディレクター、
松田俊孝インタビューの最終回です。


bob_blog_ph0605_01.jpg


■巨獣が描かれるまで


――
では、実際に巨獣のイラストが
どのように描かれていくのかを
紹介したいのですけれども。


松田
はい。


――
バハムートとシヴァの資料を
用意していただいたので
それを見ながら
軽く解説していただけますか。
まずは先ほども話題になった
シヴァの顔部分が、
どのように調整されたのかですが。


bob_blog_ph0605_02s.jpg


松田
顔はミリ単位で表情が変わるので
線画の時から注意します。
シヴァは冷たい美女というイメージなので
涼しげになるように気をつけました。


――
ショートカットにしたために
イメージも変えたわけですね。
そして完成したものが、こちらです。


bob_blog_ph0605_03s.jpg


松田
線画をベースに何度も描き込みます。
その経緯で線画とは
また変わってしまいました。
ですが吐息も冷たいような感じに
仕上がったのではないかと思います。


――
なるほど。
細かく表情の調整が重ねられたのが
よくわかります!
続いてバハムートの作画過程ですが、
まず、こちらですね。


bob_blog_ph0605_04s.jpg


――
うわあ……。


松田
まず線画を起こしながら
全体の描き込みを模索します。
バハムートの持つ荒々しさと
圧倒的な破壊力が
少しでも出せるように
気をつけてます。


――
なんか、もう
この時点で充分に
見れるものになってる
気がしますけども(笑)。
続いて、こちら。


bob_blog_ph0605_05s.jpg


松田
色合いを考えながら配色します。
見せたい所のバランスも意識しつつ
少しずつ陰影で立体を起こします。


――
おおお、存在感がでてきました。
今にも動き出しそうですね。
そして仕上げたものが、こちらですね。


bob_blog_ph0605_06s.jpg


松田
最後にディティールを描き起こし、
ハイライトなども足し
存在感を描き起こします。


――
なるほど。
さらに立体感や質感がでました!
いや、すごい迫力です。
こうしてできあがる過程を見ると、
すごく当たり前なんですけど
「ちゃんと描いてるんだなあ」という
実感がわきますね。


■限界を決めず、常に全力で!


――
最後に、
「今後チャレンジしたいこと」を
お伺いしたいのですけども。


松田
まあ……
ほぼすべてですね(笑)。


――
あ、もう、
すべてがチャレンジだと。


松田
技法もそうですし
内容もそうですし。


――
はいはい。


松田
自分でこう、
「これ以上描けない」って
決める必要はないじゃないですか。
常に、"次のもの"を
描けるようになるためには。


――
そうですね。
そう思います。


松田
例えば、小っちゃいものだからって
手を抜きました、ってなると、
絶対そのあと
大きいものを描いたときに、
こう……引きずるんですよ。
だから、どんなに小さくても
その中でベストを尽くせるように
しておかないと……。


――
常に全力で。


松田
全力で。アイデアを出して、
勿体ぶらずに全部出すこと。
それで、次のときは。


――
次は、それにさらにプラス、
さらにプラス……で
積み上げていくと。


松田
そうです。


――
じゃあ、やっぱり
今まで描いたことが
ないものをやってみたい、
って感じですか?


松田
そうですね。
今回の『ブラッド オブ バハムート』で
巨獣をやらせていただいたのも、
すごく嬉しかったです。
あと、UI(ユーザーインターフェース)関係も
バハムートにちなんで
龍の意匠を凝らしました。


――
はい。 メニュー画面やメッセージの
ウィンドウ枠のことですね。


bob_blog_ph0605_07.jpg


松田
UIとしての使いやすさとカッコよさを
両立出来るよう考えて作ってあります。
ぜひ触って感じて頂ければと思います!


――
なるほど。
本日はありがとうございました!


松田
こちらこそ
ありがとうございました!



次回はシステム紹介記事が始まります。
最初は「基本操作方法」の第1弾。
DS本体の持ち方から、
キャラクターの操作方法などを紹介。

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