「ブラッド オブ バハムート」の開発スタッフ
(共同ディレクター・石山貴也)による
ゲーム解説やスタッフインタビューを
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今作のコンポーザーである
水田へのインタビューの第2回です。


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■ゲーム音楽愛


――
「ゲームの音楽」も
昔から好きだったんですか?


水田
好きでしたよ。
ゲーセンで録音したりとか(笑)。


――
あ、わかります!
してました、してました!(笑)


横山
えっ、どゆこと!?


――
当時のFM音源とか
すげえカッコよかったんですよ!


水田
そうそう(笑)。


横山
どうやんの?


――
そりゃもう、
テープレコーダーを
持っていって、
筐体のスピーカーに。


水田
近づけて(笑)。


横山
ええー!?(笑)
雑音とか入るでしょ!?
そんなに好きなの?


水田
昔はサントラとか
聴きたいのが必ずあったわけじゃ
なかったんで。


横山
はぁー!


――
で、それを聴いて、
耳コピとかするんですよね。


水田
そうですね。
ピアノで弾いてみたりとか。


横山
びっくり。
ふたりとも、当たり前のように
話してるから(笑)。


一同
(笑)。


――
逆に、そこまでしてもらえると
作曲者冥利に尽きるでしょうね。
例えば、自分の曲を
耳コピとかしてもらえると
嬉しくないですか?


水田
ああ、そんなことを
された日にゃ、もう(笑)。


――
MIDIとかで
アップされてたりすると(笑)。


水田
嬉しいですねー(笑)。


横山
へえー。


――
そうやって、
ゲームで興味を持って
音楽をやってもらえると いいですねー。


水田
いいですね。


■お約束を覆す


――
実際、ゲーム音楽の仕事を
されるようになった今、
作曲をしていて
常に気をつけてることなんかは
ありますか?


水田
そうですね……。
「お約束」っていうものが
あると思うんですけど。


――
はいはい。
ゲームの音楽における。


水田
それを、どうやったら破れるかな、
みたいなことは考えてます。
悲しい場面に悲しい曲は
当たり前だけど、
ちょっと違うものも試してみて、
「これもいいね」ていうのを
1作品に1コくらい入れられたら
理想かな、というのはあります。


――
お約束を覆すものを、1コくらい。


水田
全部で冒険する必要は
ないと思うんですけど(笑)。


――
はいはい(笑)。


水田
「こういうのもあるのか!」と、
ちょっと進歩していきたいな、
というので。


――
なるほどー。


横山
いや、松田さんのインタビューと
同じことを言ってるね。
ここまで上り詰めた人でも、
「飽くなき進歩への探求心」ていうの?


――
経験が多いほど
「ここはこうするものだ」と
やり方が決まっていきがちなところを、
あえて「それでいいのか?」と
一歩引いて見れるという。


横山
共通してるんだね。


水田
世の中で、
自分がいいなと思うものは
やっぱそういうことをしてますから。
そこで手を抜いたら、
それまでだな、という
感じはしますね。


――
なるほど!


■自分でも楽しみたいから


――
さっきも耳コピされると嬉しいという
話をしましたけども、
ゲーム音楽という仕事ならではの
やり甲斐というのは、
どのあたりに感じますか?


水田
うーん……。
音楽面に関しては
もちろんディレクターさんなり
チームがあってのことですけど、
(そのゲームの音楽を)
自分が好きなものにできる。
「これイヤだな」ってものには
ならないのが。


――
あー! なるほど!
そこが、コンポーザーならではの
醍醐味なんですね。


水田
ほかのゲームをやってて、
ゲームは面白いんだけど
曲がちょっと……と。


――
そう感じることがある。


水田
「もっとこうすればいいのに」
みたいに思うこともありますが、
そういう部分で
ゲームに参加できるのは
大きいかなと思います。


――
それは、やっぱり
作ったゲームを
自分でもしっかり遊んで
楽しむ気持ちがあるからこそ、
ですよね。


水田
そうです、そうです。


――
ゲームの音楽を作ってる方も
たくさんいらっしゃいますけど、
やっぱりゲームが好きで、
ゲームを楽しむことも知っていて、
そのための音楽を作る、
というのが嬉しいですね。




続きます。
明日は『ブラッド オブ バハムート』の
メインテーマがどのように生まれたのかを
伺っていきます。



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