「ブラッド オブ バハムート」の開発スタッフ
(共同ディレクター・石山貴也)による
ゲーム解説やスタッフインタビューを
随時お届けします!












ご意見、ご感想、ご質問、その他もろもろ、スクウェア・エニックス・メンバーズの以下のページからお寄せください。
(無料会員登録が必要です)


お寄せいただいたコメントは、ニックネームと共にこのブログ上で紹介させていただくこともありますので、予めご了承ください。



今作のコンポーザーである
水田へのインタビューの第3回です。


bob_blog_ph0625_01.jpg





■まずは曲のイメージを


――
では、冒頭でも紹介した
『ブラッド オブ バハムート』の
メインテーマが
どのように作られていったのかを
ブログを見ている方にも
紹介したいのですけど。


水田
はい。


――
水田さんは、作曲するとき
どのような感じで入るんですか?


水田
今回のメインテーマの場合は、
発注で「大河ドラマ風」という
要望がありましたので。


――
はい。 そういうふうにお伝えしました。


水田
なので、そこに関しては、
冒険する必要がないので
「何をもって大河ドラマなのか」を
考えることからですね。


――
なるほど。


水田
まずはとにかく聴いたり、
動画とかを見たりして
自分の中で
大河っぽいのはこれだ!というのを
イメージして。


――
そのイメージというのは
もう、その段階から
頭の中でサウンドとして
"厚み"が鳴ってる感じですか?


水田
なんとなく、ですね。
そこで曲にしてしまえる人も
いるみたいですけど。
僕の場合は
こういう感じのサウンド、
というのをぼんやりと。
具体的なメロディとかでは
まだないです。


――
なるほど。


水田
それが決まったら
PCと鍵盤に向かって。


――
そのイメージを、形に。


水田
近づけていく、って感じですね。


――
なるほどー。


■内蔵音源で再現


――
曲を形にするということですが、
今回のゲームでは
全曲、内蔵音源(*)で鳴らしたいと
お願いしてましたよね。


(*)CDのように作った音楽をそのまま鳴らすのではなく
音色や曲を別々のデータに置き換えて鳴らす方式。
そのまま鳴らすよりも少ない容量で済む。


水田
そうですね。


――
内蔵音源では、なにかと
制限がかかることになるわけですが、
曲を形にしてく時点で
音の数などを制限してるんでしょうか?
それとも、まずは
フルで鳴らしたいだけ鳴らすんですか?


水田
最初の段階では
あまり考えてないです。
音源と関係なく、
まずは理想のものを。


――
なるほど。
まずはマックスの状態で作ってから、
それを内蔵音源で再現させるという
手順なんですね。


水田
そうですね。


■曲のイメージを伝えるには


水田
それから、
今回のメインテーマで
大変だったのは、
僕が「こういうのが大河っぽい」と
思ったものが、
鳥山さんなり石山さんが
思っていたものと
食い違っていたことで。


――
あああああ……。
そうですね。
まあ、今回、そういうことも……(苦笑)。


水田
でも最終的には、
すり合わせて
お互い納得いくものには
なったと思いますけど(笑)。


――
まあ、途中は
色々ありました。


横山
そうね(笑)。


――
いや、曲の捉え方って
人それぞれな部分が大きいので、
曲の発注って難しいなあ、と
常に思っているんですけど。


水田
そうですねー。
「○○みたいな曲」とか言われると
誤爆は減って、
大きく食い違うことはない、
というメリットは
あると思うんですけど。


――
ですが、細かく指定されてしまうと
「作曲をする面白み」みたいなものは
減ったりしませんか?


水田
いや、でも
「あ、こういう曲はやったことないな」
という部分の楽しさもあると
思いますから。
そのかわり、
「ここどうしますか」と言われて
「あー、こうきましたか!」みたいな
楽しさはないかもしれませんが(笑)。


――
あー。


水田
どんな内容でも
面白い部分はあります。


――
そうなんですね。



続きます。
次回はコンポーザー編の最終回。
今回チャレンジしたことや
今後チャレンジしたいことを伺います。



« コンポーザー編 <第4/4回> コンポーザー編 <第2/4回> »