今作のディレクター&シナリオライター
鳥山へのインタビュー、第2回です。
――
では、これまで
ゲームのシナリオを書いてきて、
ゲームにおける
シナリオの役割や意味合いについては
どう意識されてますか?
鳥山
うーん。
でもね、ドラマとか映画と意識を変えて
シナリオを作っている印象はないんですよ。
――
あ、「ゲームだから」という
意識は、特に?
鳥山
僕の作る作品では、
「映像のメディア」と
「ゲームのメディア」って
そんなにハッキリと考え方を
分けてなくて。
――
そこに縛りは設けず。
鳥山
どっちも、
視聴者であるとか、プレイヤーを
「引きこむ」という要素は
同じように作らないと
いけないし。
――
はい、はい。
鳥山
むしろ、
「一流の面白いエンターテイメント作品」
というのは、見るだけでも遊んでも
面白いはずだから。
――
ただ「表現方法」が
変わるというだけで。
鳥山
プレイヤーを巻き込む方法は違いますが
コアにある「ストーリーの面白さ」というのは、
ゲームであるとか、映画であるとか、
本であるといったメディアの特性には
あまり影響されないと思っています。
――
なるほどー。
――
「鳥山作品」の特徴、というか
作風として意識してることなど
お伺いしてみたいんですけど。
鳥山
どうなんだろうね、そこは(笑)。
ま、自分が作ってる時点で
なにかしらの色は出てると思いますが。
――
ご自身で意識している部分は
ありますか?
鳥山
うーん。
「ほかと似ない」というのは
意識としてあるかな。
――
「毎回変えること」
になるのでしょうか?
鳥山
あ、だから、逆に言うと
「作風を作らない」ってことかな。
――
ああ、なるほど。
ということは、内容にも特に
こだわりはない感じですか?
これまではどうしても
ファンタジーが多かったと思いますが。
鳥山
こだわりはあまりないです。
世界観とか、ストーリーとか、
作風に関しては、
あらゆるものを生み出したいと
考えてます。
――
特にこういった系の話が得意だとか、
そういうものもなく。
鳥山
それは、あまりないかな……。
でも、逆に
普通に「中世ファンタジーもの」を
作れと言われると
難しいかもしれないです。
――
あ、なるほど。
もうありふれてるから。
鳥山
オーソドックスなものであっても
切り口を変えてしまおうと思うので
普通にはおさまらないかもしれませんね。
続きます。
明日はいよいよ、
今回の『ブラッド オブ バハムート』での
シナリオ制作について聞いていきます。