2008年06月05日
開発レポート サウンドチーム 録音風景・オマケ編
サウンドレポートも今日で最終回です!
今日は録音の風景をできるだけそのままお伝えして
収録の雰囲気をちょっとでも味わっていただければと思います。
誰ですか、レポートにする能力がないんだろうとおっしゃるのは。
゚ + 。・゚・(ノД`) ノ・・・ビンゴ!
小林 「では一度オケ流してみまーす」
この「オケ流します」という合図で、バイオリンソロ以外の音が再生されます。
どうやら練習を兼ねた音だしのようです。
収録曲は、ゲーム内の「チュートリアル」の際にかかる曲です♪
流れてくる曲に、桑野さんがバイオリン演奏を乗せます。
主に入る箇所の確認や、気になる箇所を自主的に練習されているようでした。
時々、浜渦さんからの細かな指示や、ちょっとしたやりとりがあります。
桑野 「~♪(高音を練習中)」
浜渦 「すごく高い音ですいません」
桑野 「(笑)いえ、やりたいです!」
桑野さんの演奏しているお姿を撮影させていただきました。
勝手な思い込みだったんですが、バイオリン奏者の方がいらっしゃると聞いた時から
脳内は、黒のイブニングドレスの女性でいっぱいだったんですが、
桑野さんはキャップと、ライダースジャケットを着こなす、実にロックな雰囲気のお兄さんでした。
時間にして2、3分ほど合わせた所で、本番です。
収録前に、打ち込み(コンピュータ)の曲を聴いていた曲ですが
実際に生音のバイオリンが乗ると、曲の重さとでも言うのでしょうか。
重さと言っても音は凄くキレイなんです。「重厚」と言えば良いのでしょうか?
きれいな波形だったものに、肉が付ていって、質量が感じられる「物」になっていく感覚というか。
音に強弱がつけば、そこに演奏者の熱を感じられます。
全然うまく説明できませんが。なんだか感動しました。
録音中は、エンジニア小林さんがカチカチとせわしなく手元のスイッチを押し、
コンポーザー浜渦さんはずっと楽譜に目を落とし、
鈴木さん・五十川さんはその全体の様子を見守り、
開発統括部 北川・濱本は進行具合と時間を気にしていました。
それぞれのお仕事中です。
1曲演奏が終わると、それを聞いてみます。
浜渦 「良いんじゃないでしょうか。プレイバックしてみましょう。」
~♪ (再生中)
桑野 「すいません、この部分もう一回やらせてもらって良いですか?」
浜渦 「はいわかりました。」
~♪ (再演奏・録音中)
浜渦 「あ大変良かったと思います。これもらいます。」
正直リテイク前と違いが・・・わ、わかりません(・(エ)・ ;;;
やっぱり耳の付けどころが違うのですね。
そんなこんなで順調に録音は進み、ほぼ時間どおりに録音が終了しました。
桑野さんは次のお仕事に向かい、小林さんが録音したデータをまとめています。
そしてそのデータは、シンセサイザーオペレーターの手に渡ります。
受け取ったデータを、元の曲に合うようにコツコツ調整をするお仕事が待っているのです。
この日の録音作業はこれにて終了。
スタジオ内の後片付けをして撤収です。
そしてその楽曲のデータは、シグマのゲーム開発チームの手に渡り
ゲームを盛り上げるべく配置されていくのです。
何となく、雰囲気が伝わりましたでしょうか・・・
サウンドという所は、こんな感じでお仕事してるのねーと思っていただければ嬉しいです。
普段のお仕事のほんの一部分なんですけどね。
以上、やみくもレポートでした (`・ω・´)ノシ
おまけ
録音終了後、桑野さんが入っていらっしゃったお部屋に入れてもらいました。
フローリング張りの綺麗なお部屋です。
む?
部屋の一番奥の床がなんだか変わってます。
なんでココだけ鉄板が敷いてあるのだろう・・・。空調かな?
五十川 「あ、それはね、SE(サウンドエフェクト=効果音)を収録する時に使うんです。
その上を実際に歩いて足音をとったりするんですよ。
土の上を歩いている音とかが欲しい場合は、本当に土を運んできてとるんです。」
へぇー!
足音とかも全部コンピュータで作った音を使ってるのかと思ってました。
この部屋で「ラジ○の時間」みたいな事が巻き起こっているんでしょうか・・・。
小豆を転がしたりしているんでしょうか。見てみたい。
2008年06月03日
開発レポート サウンドチーム 人物・お仕事紹介編 その2
こんばんわ!
なんだか気候が安定しませんが
皆さま風邪などひかぬよう気を付けてくださいね。
さて本日は
先週よりお送りしておりました、
サウンドチーム 人物・お仕事紹介編の後半戦をおおくりいたします。
サウンドエディター:五十川 祐次
実は五十川さんはシグマのご担当ではないのですが、
今回録音のエンジニアさんを外部の方にお願いしたので、
複雑極まる機材の操作をサポートをするべくスタンバイしていただいてます。
普段はサウンドエディターとして、主に
ボイスの作業(編集や実装など)をメインに行っていらっしゃいます。
その際に、このスタジオを使用するとのことで、この複雑極まる機材のスミズミをご存じです。
機材マスターです。ツマミマイスターです。
複雑極まる機材↓
このツマミはホントに全部必要なの?ホントに??
と疑いたくなるほどツマミがたっぷりです。
こんなツマミがたっぷりなのは、ココか東方○聞録くらいですよね!
・・・・・変なこと言っちゃいました。反省。
○民や魚○、養老○瀧だっていっぱいありますもんね。ツマミ。
開発統括部:北川 雅・濱本 一希
「開発統括部」とは、文字のとおり開発の進行管理を行い、開発者を統括する部署です。
「プロジェクトマネージャー」「プロジェクトアシスタント」などと呼ばれる職種の方々です。
上のおふたりはサウンドチームの開発統括を担当しています。
お仕事内容としては、開発スケジュールの計画・管理、予算計画・管理、人員管理、契約管理、
機材の申請・手配、他部署とのやりとり、外部とのやりとりから開発者の相談役などなど・・・・・・
開発がスムーズに進むためにサポート・尽力をします。
まさに縁の下の力持ち的なお役目ですね。
今回の録音で言えば、外部メンバーの手配、 スケジュール決定、録音費用管理、
録音スタジオ予約、関係者への各種連絡、録音進行管理などなどがお仕事です。
今回の取材に関しても私もお世話になってます。
「ラ」しかわからないような人間に、優しく色々ご説明いただきました(`;ω;´)ゞカンシャ
そのわりには写真がちゃんと撮れてないって言う・・・
すいません・・・
さて、これで収録参加メンバーは全員紹介させていただきましたが
どのような職種の人が、どのように関わっているのか、何となく感じていただけましたでしょうか?
これがフルオーケストラともなると、また何十倍の人と手間がかかります。
スクウェア・エニックスのあの音楽には、たくさんの人が関わっているんだなぁと
時々でいいから、思い出していただけると嬉しいです。
次回はサウンドレポート最終回です (^(エ)^)ノシ
2008年05月31日
開発レポート サウンドチーム 人物・お仕事紹介編 その1
こんばんは。
昨日予告したとおりに、シグマ用楽曲の
バイオリン収録に立ちあったメンバー&お仕事紹介をおおくりします。
スタッフロールなどで、見たことのある肩書きだけど
実際どんなお仕事をしているの??という事が多いと思います。
正直私もよくわからない事が多いのです・・・(`・ω・´;)
みなさんと一緒にレッツお勉強です。
まずトップバッターはもちろんこの方!
コンポーザー:浜渦 正志
「コンポーザー」とは「作曲家」の事で、つまりはシグマの楽曲の生みの親です。
お名前に聞き覚えがなくても、浜渦さんが作曲した曲は
きっとどこかで聞いているハズという程の、ベテランコンポーザーです。
(今後ブログ内でお話を伺ってくる予定です。しばしお待ちを・・・)
コンポーザーの主なお仕事ですが
ディレクターから、必要曲数、使用場所、曲の雰囲気などの要望が伝えられ
限られた期間内に曲を制作していきます。
そしてその曲の中で、生音が必要になったものに関して、今回のように録音収録が行われるのです。
(上記のお仕事内容は主にシグマに関してのものですので、
違うタイトルでは、また違った制作方法がとられる場合があります。)
作曲センスはもちろんのこと、求められた数多くの曲を、限られた時間内で仕上げる能力
スケジュール感も重要な能力です。
夏休みの宿題さえまともに提出できなかった私には
そんなハイプレッシャーきっと耐えられません。
バイオリン奏者:桑野 聖さん
今回、シグマの楽曲に華を添え、さらに命を吹き込むのにご協力頂いたバイオリニストです。
東京芸術大学音楽学部入学後、様々な管弦楽団で活躍し
その後クラシックからポピュラー音楽へと転向され、
以後様々なアーティストの楽曲アレンジ・企画アルバム
映画・CM・TVドラマ等への楽曲提供をされています。
2004年に周防義和氏と共に、TBSアニメ「忘却の旋律」手がけられてますね。
鳴り響け、僕のメロス!
実際のバイオリン演奏の方ですが、
なんと初見で弾いてらっしゃるそうなのです!!!!!!!!!
な、なんだってーーーー!!!!!!!!!!
他の収録でも、演奏者さんには当日譜面を渡すことが多いそうです。
初めて知りました。ビックリです(・д・;)スンケ゛ェ
事前に譜面を渡して練習しておいてもらうのかと思ってました・・・。
プロってそういう事なんですね・・・音符をいっこいっこ
「えっと、下から2段目のトコにスッポリハマってるから『ラ』でその1個下だから・・・ド~シ~ラ~ソ♪・・・『ソ』で」
とかやってる場合じゃないんですね。
あたりまえか・・・(・(エ)・;)
エンジニア:小林 彰さん
小林さんも桑野さんと同じく今回の録音のため、
社外からご協力いただきました。
エンジニアとして関われた作品は数多く、「ホフディラン」さん・「秋川雅史」さんのアルバムから
「Yes!プリキュア5」のオープニングなどなど幅広い活躍をされています。
1.2.3.4 プリキュア~♪(5!)
「エンジニア」とは「レコーディングエンジニア」、または「ミキサー」と呼ばれる職種で
簡単に言えば録音のプロフェッショナルです。
ひとえに録音と言っても、音の反響具合を知り、マイクの位置を決め、
専用の電子機器を扱って、音のバランス・音色などを調整といった
専門の知識・技術が求められる...メモメモφ(`・д・´)つ目 ナルホト゛・・・
ハッ ∑∑φ( ゜д゜;)つ目 べ、勉強になりました。
そういえばナニゴンボールのナニーフ博士も
宇宙船を作る時に最後まで悩んでいたのはスピーカーの位置でしたね。
音響は重要って事ですね。
あ、一緒にするなと?
すいません。
シンセサイザーオペレーター&アレンジ:鈴木 光人
「シンセサイザーオペレーター」は、またの名を「マニピュレーター」とも言います。
あまり馴染みがない職種かも知れませんが、
実は曲を最高の状態で完成させるための、とても重要なお仕事です。
ただ、その内容はとても専門的で、音楽の知識に長けていないと
完璧には理解できないかもしれません。
楽譜の「ラ」しかわからない私の理解も相当あやしいです。
よし!私なりの噛み砕いた解釈でご説明をしてみる実験ですφ(`・ω・´) シャキン
!
ええと。
コンポーザーが作曲した曲をそのままゲーム機に入れても
ゲーム機の都合でうまく出ない音があったり、バランスが崩れたりなど、色々問題があります。
シンセサイザーオペレーターは、その曲がゲーム機で最高の状態で表現されるように
音を選んだり、表現できない音を差し替えたり、バランスを調整したりします。
ただ音を選ぶと言っても、その音の元となる楽器についての知識も必要です。
さらにはその楽器を使っての演奏方法も知らなければいけません。
音楽に対しての深い知識、さらに専門機材の知識までもが必要とされます。
まぁスケ゛ェ・・・(;ω;)
つまり、その曲を客観的に分析して、分解して、もう一度元の形に、
あるいはそれ以上の状態に仕上げるお仕事です!
・・・わ、わかりましたか?心配。
シンセサイザーオペレーターの鈴木さんは、シグマではアレンジャーという役割も担っています。
これは出音のみでなく、コンポーザーと協力し曲自体のアレンジにも携わる
いわばコンポーザーの右腕のようなものです。
ふひぃー。
なんとなくご理解頂けてますかね??
正直私も今回のことがなければ知らなかった事がたくさんありました。
ゲーム作るのってやっぱり大変ですね。
今回ご紹介できなかった方々は、また次回におおくりさせていただきます!
(^ω^)ノシ
2008年05月29日
開発レポート サウンドチーム 潜入編
全国のスクウェア・エニックス サウンドチームファンの皆様お待たせしました。
今日から4回に渡って、4月某日に社内のスタジオで行われた
シグマ ハーモニクス楽曲用・バイオリン収録の模様を
音楽に関して素人の宣伝担当Yが、やみくもにレポートしてみます。
今5月末ですけど・・・は禁句です。
サウンドレポートなんてどうしましょう。音楽の勉強をしておけば良かったです。
楽譜の「ラ」しか読めない自分にアイアンクローです。
おぉ。これじゃぁベアークローですね。
ウォーズマ○です。
気を取り直して、やみくもレポートです。
まずシグマの楽曲制作の超基本的な流れをザックリと。
(各職種に関しては後ほど詳しく・・・)
・ディレクターから、「○○という場所で、○○の時に流れる曲」などの要望がサウンドチームへ
↓
・コンポーザーが打ち込み(コンピュータ)で作曲開始。完成曲を、シンセサイザーオペレーターへ
↓
・シンセサイザーオペレーターが曲の調整&アレンジ。
↓
・生音が必要な部分を収録。 ←今回はココの部分のレポートになります。
シグマの楽曲に必要なのは「生バイオリン」です。
まずはスタジオへ向かいます。
MA室と呼ばれるスタジオの入口横には
今までサウンドチームが受賞したトロフィーと楯が陳列されています。
サウンドチームの血と汗と涙の結晶です。きっと。
パッケージでどのタイトルか薄っすらわかりますね。
さてさて、その横にMA室への扉が。
スタジオだけあって、余計な音が入らないように二重扉です。
お、おじゃましまーす・・・(・ω・;) ドキドキ
お、スタジオは土足厳禁なんですね。
精密機械のカタマリですもんね、そういえば。
ぬぎぬぎ (素足で来ないで良かった・・・)
スリッパに履き替え、防音扉を開けて潜入開始です。
収録は13:00~16:00の間で行われていました。
14:00にお邪魔したところ、全9曲収録の2曲目の収録真っ最中。
コソコソ扉を開けてまず目に飛び込んできたのは、前方にある大スクリーンで
そこにはバイオリン奏者の桑野聖さんのお姿が映し出されていました。
うろ覚えマップ紹介(サウンドスタジオ編)↑
どうやら奏者の桑野さんは、左側にある別部屋にいて
その姿が前方に映し出されているようです(・ω・)ほほぅ
指示などはマイクを通して行われます。
桑野さん「後半のCのストリングスのとこですけど、僕は浮いていった方が良いのか・・・
どのようなニュアンスで解釈すれば良いですかね?」
浜渦さん「そこは混ざっていく感じでお願いします。」
(・ω・;)ほ、ほほぅ・・・
なんだかアウェイです。
この世が全体的にアウェイです。
次回は参加メンバーの紹介と、そのお仕事紹介です!
お楽しみに! (*`・ω・´*)ノシ
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